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木口面の効果

2017年06月27日
スギ材を内装材にお勧めするポイントが、空気中有害成分の吸着作用です。
例えば、二酸化窒素(NO2)をスギ材は吸着します。京都大学の川井先生の実験結果では、
NO2吸着量他の木材に比べ、スギの吸着量がとびぬけていることが分かります。しかも、実験によれば、板目面より、木口面の吸着が4倍もあるそうです。
さらに、吸着の量は、スギ材からの抽出成分の量に依存します。
Image3抽出成分はスギ材の乾燥方法によって変わり、天然乾燥>低温乾燥>高温乾燥となります。高温乾燥の材は香り成分(抽出成分)が少なくなっていますが、その分、空気浄化作用も減少します。
Image4(有)ホームアイの藤田佐枝子氏が開発した杉スリット材は、スギ材の木口方向ににたくさんのスリットを入れて木口部分の面積を増やしたものです。これを内装材として用いることにより、室内の有害成分を除去し、また抽出成分により、交感神経を鎮めて精神が落ち着き、ゆっくりと眠りにつくことができます。
15401392_394049277593147_95769315_nこちらも木口面を活かした家具、加藤木材のこぐちキューブです。2016年のウッドデザイン賞でハートフル部門で受賞しています。
IMG_1757背面に木口材を使って、室内空気をきれいにするという優れものの家具なんです。木口面もデザインされていて素敵です。

朝日ウッドテックの新商品説明会に行ってきました。
ライブナチュラルのフローリングも、新たにラスティックという
節を多く入れたり、より、自然な木目を生かしたものに移行していました。
天然素材を有効に利用する意味でも、また、本来の自然の姿に近い状態で
生活の中に存在することも、好ましい傾向だな、と思います。
そこで、今回は、木取りと木目の出方が分かる展示に興味を引かれました。
19146029_1424655454281546_6730172070126977635_n広葉樹のミズナラの木取りの仕方と板の木目の出方の分かりやすい展示でした。
19225167_1424655437614881_4182911155427319461_n画像
19113551_1424655424281549_3043475857495754199_n
19145916_1424655474281544_7827702346953684491_n縦の断面の様子。
枝は樹の中心から出ています。

IMG_16059月18日~19日 民家の学校で、天竜に見学に行ってきました。
台風接近中で、あいにくの雨。楽しみにしていた伐採体験は中止となり、TSドライシステム協同組合の製材所での見学と勉強会となりました。
TSドライでは、冬期の新月の前に伐採(月齢伐採といいます)したスギを半年以上、現場にて葉枯らし乾燥させ、製材し、その後、天然乾燥をさせます。この写真は葉枯らしが終わって、樹皮を剥ぐ作業です。
IMG_1607こんな風に機械で皮を剥いで、製材に入ります。
IMG_8523製材所の内部です。
画像柱材、板材になった材料は、天然乾燥に入ります。早くても1年~2年以上乾燥させで使われます。材にはこのようにバーコードが付けられていて、いつ伐採されたものか、何年ものか、等、記録されています。
IMG_1824 IMG_1581 IMG_1570 IMG_8539TSドライの榊原さん、森下さん、TS匠の会の山下さんにお話しをお聞きしました。
民家の学校天竜講座民家の学校17期生の皆さん、スタッフの皆さんと一緒に、宿泊した「島畑」の前で。

榎戸材木店
新木場の榎戸材木店を訪問しました。
ここには、木材の低温乾燥機「愛工房」があるのです。
エコプロダクツ展で、杉の木の伐採時期の話や、低温乾燥の話をお聞きした後、
家具新聞社の加納さんから、低温乾燥機が新木場にあるとお聞きしていました。
そして、先日の杉のセミナー会場で、その榎戸材木店の方にお会いできたので
さっそく、お邪魔しました。
榎戸材木店訪問
昨年、杉の木で新しくリニューアルされたという事務所に通されました。
エコプロ展企画に参加した、iconの林さん、中村さんと一緒です。
榎戸材木店の会長と、営業の廣瀬さんがご案内してくれました。
この部屋は杉の床と天井で、とてもいい香りがして、空気もさわやかでした。
愛工房
いよいよ、「愛工房」を拝見。
扉を開けると、内部も杉材が貼ってあり45℃の室内は
本当にいい香り。
1週間ほどかけて、含水率10%代に落とすそうです。
低温乾燥では、杉からの油分、有効成分を損なわないため、人の体にとても
よい効果があるということです。
ここでは、千葉の山武杉を使っているということ。
会長様、廣瀬様の熱い想いをお聞きすることができ、また、
いろいろ教えていただきに来ます、と言って別れました。

1月11日(日)に NPO法人緑の家学校主催の日本の杉セミナー「杉を科学する」に参加しました。
図2
京都大学の川井秀一先生が研究されている杉の効能に関するお話では、他の樹種と比較して、杉材のNOx吸着性能が特に優れているということ。
図1
また、杉板の板目面より小口面の方がその吸収力ははるかに多いことなどが実験結果として示されていました。
小口スリット材を開発・製造されている藤田さんからは、呼吸器系の疾患や、
不眠の解消、落ち着かない子どもさんたちが改善されたという事例をお聞きしました。
図3
杉の小口をなるべく大きく取るために、スリット加工をした「できすぎくん」は、枠を付けてパネルにも加工されています。
東京地区では、NPO法人緑の家学校で取り扱っています。
緑の家学校

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